京都市は「始末の心」でごみ削減【解説追加】
2016.03.17
身近な環境課題である「ごみ」。処理技術の開発や制度構築とあわせて重要なのが生活者の意識や行動。リデュース・リユース・リサイクル(3R)は浸透してきたが、特に前2つのRは、社会システムを大きく変える必要があり、挑戦的なテーマ。京都市はしまつの心条例でごみ半減に向けて取組中!
全国・世界各地で「もったいない」や「ごみ」を表す
独特の言葉や表現を教えてください
人が暮らすところには必ずごみが出ます。ただ、その量や質は、時代や国・地域、家庭によって様々です。現代のごみは量も多く、また自然に戻せない処理困難なものが増えてきました。その変遷を詳しく調べてみようと、私の所属してきた研究室(京都大学環境科学センター)では、毎年、京都市と協力して家庭ごみを集め、組成を詳細に分析する調査を実施してきました。1980年に始め、もう35年になります。その結果は、様々なことを教えてくれます。例えば・・・
○重さでは食品ごみ、容積では容器包装材が多くを占める
○食品ごみには「手つかず食品」など、まだ食べられるものも多い
○使い捨て製品(マスクやペット用シート)が増えている
○レジ袋は一時期減少してきたが、今は横ばい
○高齢社会で大人用紙おむつが増えている
などなど。ごみを見ていると、暮らし方やその変化が手にとるようにわかるのです。
ただ、ごみ減量の取り組みもかなり進展してきました。京都市の取り組みもユニークですので、是非注目してみてください。
ごみ半減をめざす「しまつのこころ条例」について:http://kyoto-kogomi.net/about2r/
家庭ごみについては、消費者としてできることが山ほどある。私が頑張っている行動を中心に100選んでみたのでチェックしてみて頂きたい。こうしてみると、「ただのケチでは?」と思えてくる行動も多いが、基本的に「ひと手間」必要となる。忙しい毎日だが、ごみ減量・環境配慮にも結びつく形で、スッキリした生活をするための「ひと手間」・・・これが私なりに持っておきたい「暮らしの余裕・遊び」だと思っている。他にも、みなさんなりのお勧めの行動もあるに違いない。ご提案頂けると嬉しい。
◆イチオシ情報
環境学 ~21世紀の教養~
京都大学で環境学を考える研究者たち(朝倉書店)
なんでも知ってるような顔をしている京大生に読んでもらいたい一冊。「どうせエコでしょ?」って?いやいや、そんなに簡単なものではありません。環境・サステイナナビリティ分野の第一線で活躍する京大の研究者のテーマを、要領よく知るという意味でもお勧め。
3R・低炭素社会検定公式テキスト(ミネルヴァ書房)
検定本とあなどるなかれ。環境問題に関する実践的な知識を身につけたい方には、まさにイチオシ!バイブルになること間違いなし。ごみ削減・省エネ・創エネにまつわる歴史、制度、技術、ライフスタイルを見開きで紹介。頁下には鳥獣戯画エコ版が描かれており、パラパラ漫画になっているのもにくい。
災害廃棄物分別・処理実務マニュアル ―東日本大震災を踏まえて(ぎょうせい)
災害が多発する今、その後の災害廃棄物への対応が復旧・復興に向けた一つの大テーマとなりつつある。東日本大震災での例を学ぶこともできる一冊。
※熊本等での地震で被害をあわれた皆様に心よりお見舞い申し上げます。