• プラスチック削減「みんなのプラ・イド革命」

第2回「みんなのプラ・イド革命 キックオフ共創会議」 - SDGs KYOTO TIMES

2021.02.17

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「みんなのプラ・イド革命 キックオフ共創会議」

 みんなのプラ・イド革命 キックオフ共創会議とは?

○はじめのメッセージ

未来のプラスチックとの持続可能な在り方について、多世代・多分野から様々なステークホルダーが集い、情報共有を行って、一部社会実装を目指すプラットフォーム構築に着手しています。今回のキックオフ共創会議では、当日ZOOM参加100人に加え、YouTube視聴者100人以上もの方々が参加してくださいました。9つのテーマを設定、グループごとにディスカッションを行い、並行してSDGs共創リーダーによるトークセッションも開催しました。参加者は、高校生から大学生、大学院生、研究者、専門家、メーカー、小売など多様な立場の方々が集結し、議論を行いました。

第1回 みんなのプラ・イド革命 

京大FRaU共創企画 「かばんの中から世界を変える、はじめかた。今日、京からできる10のこと」

※詳細、記事はこちらから!

明日、世界で常識となる行動様式を生み出すための、全く新しい編集会議

去年の夏に、女性誌の常識を覆しSDGsに全面的に取り組む講談社「FRaU」の人気コーナー『今日からできる100のこと。』を、オリジナル展開しました。全国から約200人の参加者が集い、「プラスチックとの持続可能な付き合い方」をテーマに、オンラインだからできるディスカッションやチャレンジで、世界の人が行動変容を起こすような提言を導き出すことを目指しました。

京大FRaU共創企画で見えてきたこと

前回の共創企画で見えてきたことを浅利先生がお話しくださいました。

まず、「プラスチックに関する人々の関心はとても高い」ことです。イベント後、多くの問い合わせを頂きました。

同時に、日本や世界各国が掲げるプラスチック削減に関する目標自体も非常に高く、日本のプラスチック資源循環戦略マイルストーンは大変意欲的です。目標が高すぎるのではと感じる人も多いですが、これは、2050年脱炭素への通過点に過ぎず、マイルストーンをしっかり念頭に置き取り組むことが重要です。

問い合わせに関しても、多くの人が同じようなところで、もやもやを募らせ足踏みをしている状況です。そこで、大事なのは的確な情報共有です!情報を共有することで、プラスチックとの持続可能な関係性を構築することにつながり、プラスマ(プラとの持続)を共創することにつながるのではないでしょうか。

そのためには、何度も繰り返しますが、「情報の共有と、共創」。分野、立場を超え、自治体・消費者・製品メーカー・小売り・材料メーカー・リサイクラーなど、様々なプレーヤーが一体になることが求められます。共創会議では、皆が楽しみながら、意見を交わし合えるそんな場にしていきたいです。

 

2回「みんなのプラ・イド革命 キックオフ共創会議」について 

以下のスケジュールでイベントを行いました。

※当日の様子(動画)は、こちらからもご覧頂けます。また、9つのテーマ別の議論のまとめは、『今日も明日もSDGs第二弾』の中でも紹介がありました。

学校・行政・企業などからの取組紹介 

はじめに、取組紹介として環境省の平尾さんから、『プラスチック資源循環戦略:重点戦略・基本原則「3RRenewable」について』、『環境省のキャンペーン 「みんなで減らそう・レジ袋チャレンジ」』や、今後の取り組みとして『プラスチック資源循環施策の全体像』についてお話し頂きました。上記キャンペーンでは、去年3月時点と11月時点を比較し、レジ袋をもらわなかった割合が約4割以上増加し、キャンペーンの目標を超えた効果がみられました

次にご登壇頂いた、大阪サクヤヒメSDGs研究会の藤田さんから、端布エコバッグプロジェクトについてのご報告を頂きました。サーキュラーエコノミーの視点を取り入れ、家庭に眠る布や繊維メーカー(宇仁繊維株式会社さん)の残布を回収し資源として再利用したことで廃棄物問題の解決・製造エネルギー・CO2発生抑制を実現されました。また、岸和田障害者福祉作業所さんにエコバッグ製作をお願いしたことで、コロナ禍で活躍の場が減った方々に楽しんでもらえたとお聞きできました。

そして、旭中央病院附属看護専門学校で講師をされている岩間先生から、前回の京大FRaU共創企画からの成果を活用した授業概要とその結果についてお話頂きました。SDGsの概念・バイオマスプラとその使途・プラごみの世界での現状などを授業で共有され、現状に驚く学生が多く、一時教室はざわつくこともあったそうです。授業後に「SDGsについて理解でき、看護師として身近なところから取り組みたい」や、「プラスチックから海洋汚染を連想できるようになった」などの反応が得られたのことで、現状や事実を「知る」ことが行動を起こす一歩になると再確認できました。

※詳細な活動報告は、こちらにもアップしています。

トークセッション共創会議

 トークセッション共創会議では、大変興味深いトピックで議論され、『過去:グレート・リセット』『現在:2021年の抱負』『未来:2050年の野望』の3部で構成されました。

○過去「グレート・リセット」

「皆さんの考えるグレート・リセットの必要条件とは?」という投げかけから、

コロナがリセットしたのではなく今まで有識者たちが見ていたものが見える化・一般化された。その中で課題が共有された一つがプラスチック問題であって、またZOOMもグレート・リセットのひとつ。みんなで対話ができるとうになったことが、例えば、新しい政策決定の方向性につながるかもしれない。

など、「対話」がキーワードだとおっしゃられていました。

また、マイルストーンは、企業群に発したメッセージであるものの世界の76億人が変わらないと地球は持続可能ではないとの意見から、社会実装の生活者に対してどうアプローチしたら良いかなど、熱く議論されました。

○現在「2021年の抱負」

2021年の抱負では、井植美奈子さん(セイラーズフォーザシー日本支局)、矢野順也先生(京都大学)、岩井正人さん(日本マクドナルド)がそれぞれの抱負を語られました。

井植さんは、コロナ禍でいかに発信して人とつながっていくのか、その中でどういうアウトカムが得られるのかが課題であり、今年は「発信力を伸ばすこと」が目標だとお話されました。

京都市の家庭ごみ組成調査を長年行う矢野先生は、全国で大小様々な形で実施されるようになってきたごみ組成調査から、データを集約し「プラスチックごみの用途や素材毎の排出実態を解析することで、削減可能な量・質(組成)を定量的に明らかにすること」など具体的な研究計画を発表してもらいました。

日本マクドナルドの岩井さんは、CSR部として、大きく3点 ①「持続可能な調達」を継続してやっていくこと、②「おもちゃリサイクル」の通年化、③廃プラからエネルギーを作り、より多くの店舗で宅配バイクを稼働させたいと語ってくれました。

 未来「2050年の野望」

最後の、2050年に向けた野望(アンビション、大きな志)のセクションでは、

セブン&アイHDサステナビリティ推進部の小野さんが、プラスチック削減と食品ロス対策の両立がこれからの課題だと言われていたのが印象的でした。また、数値目標ばかりではなく未来像をしっかり描けているのかという点も、とても重要な視点だと感じました。

京都大学の斎藤先生からは、「グリーンケミストリー」のお話をお聞きし、将来的には、元素を組み込むだけでなく、リサイクル・循環させること、全ての元素をまわしていく必要があること、そしてプラスチックに関しても、生分解性プラやバイオマスプラがあるが、それだけではなく「作ったものが原料に戻る「ケミカルリサイクル」をできる限りしやすい材料を新たに作ること」も一つの道筋だと思っていますとお話頂きました。

立命館大学の上原先生の発表では、2050年の目標の一つは、「量的なシミュレーションができるプラットフォームが作りたい」。どうやって、共創を共創にしていくのか、そういったシミュレーションモデルを作りたいと思っていますとお聞きすることが出来ました。

共創会議@ブレイクアウトルーム 

9つのテーマ別ディスカッションでは、各々のテーマで多種多様なアイデア、意見が共有されました。※詳細はこちらの動画からご視聴ください!

みんなのプラ・イド革命キックオフ共創会議に参加して

今回、初めて共創会議に参加させてもらい、学生のみならず企業から行政まで多様な立場で持続可能な社会に向けて活動されている方々から貴重なお話しをお聞きし議論させて頂けてとても有意義な時間となりました。私自身、環境問題やサーキュラーエコノミーに関心があり学びを深めていますが、学生の立場では見えにくい、それぞれのフィールドで取り組む方の視点で「どういったことに挑戦しているのか」、「挑戦する上で困難に感じていること」、「また今後に向けた抱負」などもお聞きでき、見えないところで様々な形で努力がなされていることに気づけました。この膨大なテーマに対して、解決方法を決してひとつではなく多様なアプローチでそれぞれの得意を活かした「やり方」を模索していく必要があります。そして、改めて皆が共有しあって、共創していくことが本当に求められているなと感じました。私はテーマ別グループで『女子から始めるプラ・イド革命(化粧品や生理用品など)』についてのディスカッションに参加しました。主に化粧品とナプキンについて話し、自ら作ってみる天然素材のリップ・シャンプー・リンス・歯磨き粉や、布ナプキンの体験談、サステナブルな商品が目に付くところに置かれる商品陳列など幅広く意見交換することができました。実は、その後、同じく環境問題に関心の強い友人とシェアハウスをし、上記のようなチャレンジを行いました。感想は、楽しいけどやっぱり大変!です。理由は、様々ですが、しかし、達成感と充実感と、何より同じ価値観を共有する友人と楽しくチャレンジできたので、何かやって継続するには仲間がいると始めやすいと感じました。

写真:友人とのシャアハウスでのサステナブル生活チャレンジ

(レポート:中尾充希)

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OPERATING GROUP

SDGsの社会実装を目指す
「京都超 SDGs コンソーシアム」

SDGs先進都市である京都市をフィールドに産学公が連携し、SDGsの達成に向けてともに考え、行動し、発信する「京都 産学公 SDGs プロジェクト」が2019年6月27日に発足しました。
プロジェクトを推進し、SDGsの社会実装を目指すために「京都超 SDGs コンソーシアム」(京都大学、京都市、リコー、JT、安田産業、ソフトバンク、ecommit、セブン&アイ・ホールディングス、三洋化成工業)を立ち上げ、京都大学における資源循環や省エネ・創エネに関する取り組み、人口が減少している中山間地域の維持、持続可能性・SDGsをテーマにした教育プログラムの開発等、SDGsの社会実装を目標とした取り組みやシンポジウムや博覧会等による発信・情報交換を行っています。

京都超DSGsコンソーシアム

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