2020年夏に実施した京大・FRaU共創会議(https://eco.kyoto-u.ac.jp/sdgs/kyoto-times/frau/)に参加された方より、そこでの学びを活かした活動について、ご報告頂きましたので、ご紹介します。
旭中央病院附属看護専門学校「社会学」授業(岩間初音様より)
1.自己紹介
現在、旭中央病院附属看護専門学校の1年生の社会学の講師をしております。
環境問題に関しては、20年前に環境教育・環境学習インストラクターの資格を取得後、長年、こども環境国連の支援や多くの環境ボランティア、NPO法人環境ネットワークの会員として活動しています。
大学院で社会デザイン学修士を取得後、現在も社会学の研究を継続し、学会発表や論文寄稿しています。
講師としての専門部門は、社会学、社会デザイン学、医療社会学、ジェンダー学、生きがい論、持続可能な地域循環型経済コミュニティ形成、健康講座、食品ロス等です。
所属学会では、(一社)多文化医療研究会 理事 、社会デザイン学会 理事、日仏経済交流会 理事として活動中です。
2.フラウの企画に参加した感想
以前から、(一社)セイラーズフォーザシー 日本支局理事長の井植様の活動に共感し、サポートさせていただいておりました。今回は、井植様のご紹介で、京都大学・FRaU 共創企画:みんなのプラ・イド革命 超SDGsリーダー500人の大編集会議に参加させていただきました。
私は、12班「バイオマスプラを知ろう!~生分解性プラとの違い~」をグループの皆さんと継続的に共同研究し、その成果のグループ発表をさせていただき、京都大学の浅利准教授をはじめ、京都大学教授酒井 伸一先生から専門的なアドバイスも伺ことができました。その上に全国日本学士会会報「アカデミア」にも掲載という、たいへん貴重な経験をさせていただき感謝に堪えません。
この研究と感動を旭中央病院附属看護専門学校学生たちに教示したいと考え「社会学」の授業に取り入れました。
3.授業と使用した教材
「持続可能な地域循環型経済コミュニティ形成と環境SDGs」授業
・SDGsについて(講師作成資料)
・京都大学・FRaU 共創企画:みんなのプラ・イド革命 超SDGsリーダー500人の大編集会議の共同研究資料・パワーポイント(浅利准教授の許可済)
・共同研究(一社)全国日本学士会 会報「アカデミア」(浅利准教授の許可済)
・杉並区環境情報紙VOL.84「使い捨てプラスチックの使用を削減しよう」
・看護師国家試験過去問題(廃棄物について)
4.フラウの企画の共同研究の学習教材を使って実施した授業の概要
後期のオンライン授業(新型コロナのため)を2020年11月19日の4限(14時50分~16時20分)に、「持続可能な地域循環型経済コミュニティ形成と環境SDGs」の授業の中で、「バイオマスプラを知ろう!~生分解性プラとの違い~」「レジ袋有料化について」についての講義をしました。
・「プラスチック問題(海洋ごみ)を考える」
・「バイオプラスチックは、資源循環の新しく、かつ重要なキーファクタであるところの『クローズドループ・リサイクル』と『循環資源サプライヤー』を担う期待の素材である」
・【目に見えるプラスチック】⇒ポイ捨てしない、素材を理解して、分別・回収し、循環させる、賢く使う
・【目に見えないプラスチック】 ⇒存在・問題を知るマイクロプラスチックになりそうな製品を使わない等、消費行動への変容が必要
・私たちが今日からできること ◈ 絶対にポイ捨てをしない。うっかり道に落とさない。 ◈ 素材を理解して、分別・回収し、循環させよう。 ◈ プラスチックの性質を理解して、賢く付き合おう。
共同研究で作成したパワーポイントで動画を加えて講義しました。
資料として、共同研究(一社)全国日本学士会 会報「アカデミア」No.178,P83.84をコピー配布して説明を加えました。
杉並区で作成している環境情報紙VOL.84「使い捨てプラスチックの使用を削減しよう」がわかりやすく図解されていたので、参考資料として添付しました。
5.学生たちの反応・感想文で印象に残ったもの
授業の「持続可能な地域循環型経済コミュニティ形成の重要性と環境SDGs」の授業のレポートの中に、レジ袋有料化・海洋汚染・バイオプラついての項目についても記載してもらいました。(全員提出)
・プラスチックについて、何でもプラが悪いわけではなく、プラスチックと賢く付き合っていくことが重要だということが理解できてよかった。
・ウミガメの報道以来、世界中でプラスチック問題の意識が高まっていることは、頑張っていたが、今日の授業で、複雑多様なプラスチック製品を「使う」視点で整理し、どう減らしていくか?を徹底的に考え行動したい。
・エコバックを必ず持ち歩くようにしている。
・すぐできることから取り組んで、汚れた食器をぺーパーで拭いて汚れを落としてから洗うことによって油の流入を防ぐ。
・資源のリサイクルやごみ減量に心がけ、現在だけでなく、ひとりひとりが未来を見据えた行動をとって、環境を守ることが大切である。
また、持続可能な地域循環型経済コミュニティ形成の重要性と環境SDGsの部分については、「SDGsは、『経済』『社会』『環境』を不可分のものとして捉え、地域社会の広範な課題を統合的に解決しながら、バランスのとれた持続可能な開発を目指すこと」について記載があり、レポートから学生の理解度と授業の成果が確認できました。
なお、「今日学んだことを基礎に、一人一人の環境に対する行動変容が大切で、環境改善に向けて、できることからすぐに実施していきたい。」と表明してもらうことができ、教師冥利に尽きました。