家庭生ごみの堆肥化とその利用
~第3回 「循環&省エネ」地域協働プロジェクト~
平成25年1月15日(火)京都大学環境科学センター会議室に於いて、第3回「循環&省エネ」地域協働プロジェクトの集いが行われた。
家庭で発生する野菜等のごみ削減の一環として堆肥化し、それを肥料として活用することに着目した。
今回は、農学研究科応用生命科学専攻の間藤教授をお招きし、左京区の住民、向日市の講師や関係者、京都市ごみ減量会議の方等、15名の参加があり、下記の4項目についての情報交換を行った。
1.向日市における生ごみ堆肥化の実践報告
①空き缶製ごみ処理機:20?の筒型缶を廃棄物利用したもので、下図のものや、缶の底
をくり抜き側面に小さめの穴をいくつかあけ、土中に設置し、上部にふたをつけたもの。
②木製ごみ処理器:下図のものを木製で作り、回転式になったもの。
2.プラスチック製の市販品で家庭用生ごみ堆肥化発酵容器の紹介
15?くらいの容器で生ごみと米ぬかを適量投入すると、徐々に容器の
底に発酵液が染み出て下部についたコックからじょうろで受け、水で
希釈して植物に栄養液として散布するもの。容器内の固形物もかさが
小さくなり時間とともに肥料となる。
3.木屑チップを堆肥化した肥料による連作障害の忌避について
4.間藤先生のレクチャーと質疑応答
・ 腐敗と発酵の違いについて:温度や空気と水分調節の重要性。
・ 微量必須栄養素17種類(N,PO4,K,Ca,Mg,Fe等)とその欠乏障害について
・ 農薬使用についての考察
・ 連作障害について
・ 酵素利用にあたっての諸言
・ 堆肥化時の添加物のC/N比について ...etc.
家庭で発生する生ごみを堆肥化することにより、回収ごみの処理負荷を軽減することができる。いかに効率的に作業を行うか、かつより経済的な手法等に考えをめぐらせていた。そして、その時に発生する堆肥を利用してプランターや畑に循環することで野菜類を生産するというリサイクルの輪が形成される。今回も普段の生活においてごみをはじめとした環境に関心の深い方々が参加され、肥料学が専門の間藤先生に多くの熱い質問を投げかけ有意義な2時間であった。
本プロジェクトに賛同いただきご協力くださった皆さま、そして、セミナーにご参加いただきました皆さま、誠にありがとうございました。