エコ~るど京大

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エコ~るど京大 学外研修レポート(2017年3月熊本)

2017.03.27

地域 学び 研修報告

我々エコ〜るど京大は、2017年3月3日(金)〜5日(日)にエコ研修として熊本の地に赴いた。京都大学でサステイナブルキャンパス活動に携わる教職員や学生が先進事例を視察し、その実施者と交流することで、『学生・教職員がともに考え、共同できる場』の充実をつなげることを目的としたものである。具体的な内容は以下の通りである。

 

★1日目:3/3(金)

災害廃棄物戸島仮置場

熊本地震の災害廃棄物仮置場で最大面積(約6.4ha)を誇る戸島仮置場を視察し、災害廃棄物の受け入れ状況に関して説明を受けた。熊本地震では、現場で建物を解体してその廃棄物を仮置場に運び、分別、という流れで処理が行われていたため、廃棄物が整然と分類されており、印象的であった。しかしながら、置かれた廃棄物の処置には、その量の膨大さや、自治体間での制度のギャップ等から、困難もあったとのことである。

自然と未来(株)

自然と未来(株)は、廃食用油から超高純度のバイオディーゼル燃料(BDF:biodiesel fuel)を作る会社である。巧妙に調節された減圧蒸留や静電貯蔵などを駆使して徹底的に不純物を除去して作られた純度99.8%の当会社の製品の質の高さは、使用の上では勿論のこと、見た目の透明感からも、従来のBDFと比べて明らかであり、区別して「ReESEL」(くまエネ100)と呼称している。今では、このReESELで東京オリンピックの聖火を灯すことを目標としているという。

 

★2日目:3/4(土)

水俣環境アカデミア

水俣市では、水俣病の歴史を教訓として様々な取り組み(「もやい直し」と総称される)が行われてきたが、その一環として創設された、地域内外の人がつながる共同利用教育・研究活動拠点施設、水俣環境アカデミアを訪問した。この水俣環境アカデミアは、出前講義、フィールドワーク受け入れを通して、国内外の様々な学校と連携しているとのことであった。また、定期的に市民公開講座も開いており、我々も今回「環境にやさしい暮らし方」の講義に参加させていただいた。

村丸ごと生活博物館 頭石地区

水俣市民の「私たちの街には何もない」といった声から、無いものをねだるのではなくすでにあるものを見直そう、と発想を転換して、自分達の生活の場、村をそのまま丸ごと博物館とした、村丸ごと生活博物館の一つ頭石地区を訪問しました。石垣に囲まれた棚田が広がっている様子は絶景であり、あちこちで昔の人の知恵、技、知識の結晶が垣間見られた。我々のような訪問者がそうしたものを珍しがり、楽しむことで、現地の人も見過ごしがちであったものの有難さに気付くのだという。

田中商店(ガラス瓶リユース・リサイクル工場)

ゼロ・エミッション(廃棄物ゼロ)構想を進めるために創設された、ペットボトルから全地区廃材まで様々な廃棄物のリユース・リサイクル施設が集合した区画、みなまたエコタウン地域の中の田中商店(ガラス瓶リユース・リサイクル工場)を訪問した。全国から回収された瓶が大型の機械で処理されているのは印象的であった。また、案内して下さったパワフルな社長は、瓶のリユース・リサイクルのみならず様々なことに取り組みをなさっており、知識も豊富な方で、様々な話に加えて自分の思いも熱く語って下さった。

 

 

★3日目:3/5(日)

水俣病資料館、水俣病情報センター、水俣湾埋立地

熊本県水俣市が、水俣病という悲しい歴史を持つということは有名な話だが、訪問した水俣病資料館では、水俣病の問題が予想以上に複雑であったことを学んだ。問題の直接的原因がチッソであることは疑い無いが、チッソの市民生活に対する効果・影響も決して無視できないもので、加害者と被害者が同じコミュニティ内に入り混じっていた、という状況である。水俣病の無理解からの差別・偏見も少なくない、という。単に「水俣病が発生した」という事実のみならず、我々にはこうした全容を学び、後世に伝える必要があると強く感じさせられた。

 

水俣慰霊碑の前で

 

お世話になった熊本県や熊本市、水俣市、その他関係者の皆様、本当にありがとうございました。

 

※詳細なレポートは、こちらからダウンロードしていただけます。

➡熊本研修報告書(WEB詳細版)

 

(文責:小川由)

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