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Goal06「安全な水とトイレを世界中に」(山田千聖)

2020.04.16

学び 2020年新入生リーフレット

こんにちは、エコ~るど京大・白井亜美と申します。今回、このSDGsインタビューのテーマは「身近な多様性」です。幸か不幸か私たちは本当に一部しか世界を認識できません。だから考えも行動も「不十分ではないか?」という指摘から逃れることはできません。ですがそれでも「自分は一人前のひとりの人間だ」と思って、毎日生き、いろんなことを考えるのではないでしょうか。私たちもまだまだ未熟ですが、隣にいる人がどれくらい自分と異なる見方を持っているか、ここに少しでも触れていただけたら幸いです。

 

 

インタビュー日:2019年12月24日

回答者:山田千聖(京都大学農学部3回生/エコ~るど京大)

 

 

Q:Goal06「安全な水とトイレを世界中に」の中で興味のあるテーマは何ですか?

 

私はトイレの問題に興味があります。トイレは絶対に一人になれる空間で、安心感がある場所である必要があるし、絶対みんな毎日使いますよね。今一番トイレに関して興味を持っていることは、女性が野外排泄しなければならず、そのためにレイプされること、そして学校のトイレが汚かったり整備されてなかったりするために女の子が学校にいけないことがあるということ。これを聞いたとき、ちょっとおかしいと思いました。「トイレがある」ということだけで全部ではないですが、解決されるのにそれが放置されているということは納得できません。この人たちは外で用を足したくてしている訳ではないのに、そうすることでこういう被害に遭うリスクが上がってしまうことはすごく理不尽だと思います。しかもトイレがあるということだけで例えば感染症にかかる人が減る、そうすると必要な医師の数も減るといったように、トイレが整備されるだけでいろんなところにメリットが生まれるのがすごいと思いました。

 

 

Q:SDGsが2030年までの目標達成を掲げていますが、この「世界トイレ事情」問題は2030年へ向けてどうなっていくものだと想定していますか?

 

途上国に関してはこの10年間でまずトイレがないという状態はなくなってほしい、それはできるのではないか、と思っています。非水洗トイレは完璧ではないですが、それがあることで水が汚染されるのは防げます。しかも(簡易的な非水洗トイレは) 力をいれて取り組んでいる企業も機関もあり、安い価格のものも作れるのではないか、できてほしいと思っています。本当は下水道が地球上の全ての地域で整備され、比較的きれいなトイレが使えることが理想ですが、それにはすごく時間がかかるし、2030年までにはおそらく無理、そしてそれがいつ達成されるかも正直私は想像できません。

日本にも汚いトイレは結構あるし、特に避難所のトイレはまだ課題があると思います。これを解決すれば次災害が起こったときに生きるしこれは10年あればできると思います。

 

 

Q:具体的にどんなことができると考えていますか?

 

それを今自分の中で考えているところで…。メーカーに入って営業して改修していくことも考えられるけどそれは非現実的です。最近は自治体自身が自分たちのイメージアップのためにトイレ改修を行うこともありますが、そこに力を入れない自治体もあります。そういうところはどうやったら変えていけるのかなと考えていますが、まだ答えは出ていません。日本の話になるとSDGsあまり関係なくなりますね。

 

 

Q:では2030年より先をもっと長い視点から眺めて想定する理想などありますか?

 

下水道が整備されてトイレが必要ということを地球上の全員がわかるようになり、トイレを設置・管理できたらいいのではないかなと思います。今は日本などの先進国の支援により途上国にトイレが作られていますが、それがいらなくなる、結局経済成長かもしれないですが、とにかく野外排泄はよくないから皆にとってトイレがあるということが当たり前になり、環境にも自分にもメリットがあるという認識が広がってほしいです。終わりはないかもしれないですね。わかってもらえないとトイレを家に設置しようと思わないので、わかってもらえたら純粋にトイレが普及しやすくなるし維持管理もしやすくなります。これは一例ですが、東南アジアでトイレの必需性を自分の中の価値観や認識に入れてもらうために、「トイレのある家庭はちゃんとしている家庭だ」という認識を広め、トイレの自発的な設置を促したそうです。これは人々のステータスを気にする心理を使っています。そういう感じでその地域の常識や日常の慣習に取り入れることが大事だと思っています。最新式ではなくても、ある程度はきれいなトイレが世界中にできたらいいなと思います。

 

 

Q:そんな風に具体的にトイレ問題について考え始めたきっかけとかってありますか?

 

大学生になって東南アジアに行ったときトイレが汚いことが気になりました。トイレがないことはないのですが、日本と比べたら汚くて、とても不快でした。私は観光地に行ったとき、トイレが綺麗かどうかでその場所の印象がかなり変わります。そのくらい観光地の要素の一つとしてトイレは重要なので、トイレが汚いことは観光地としてすごくもったいないことだと気づきました。そこからいろんなことに気づき始めたと思います。

 

 

Q:「世界トイレ事情」問題に取り組むにあたって主体はどこにあると思いますか?

 

主体は私です。私が日本のどこに行っても海外に行ってもきれいなトイレを使いたいので私が主体です。途上国にトイレを作ることでいろんな問題が複合的に解決されることも興味深いですが、私がトイレを作りたいと思う一番の理由は自分が使いたいからです

 

 

Q:そのテーマに向き合ったときに「SDGs」はどのように関わりそうですか?

 

貧困など関わる点は多いと思いますが、正直SDGsはどうでもいいと思ってしまいます。人間だからSDGsがどう主張しようとトイレは必要です。トイレを作るということに取り組んだ結果、SDGsのゴール達成につながるというだけのものではないでしょうか。

 

 

Q:Goal06の特徴は何だと思いますか?

 

課題がわかりやすいし、身近に感じやすいから取り組みやすいと思います。例えばジェンダー問題とかはバッシングされることも多いですが、トイレを作ることにはみんな賛成すると思います。確かに水洗トイレは水をたくさん使うからそんなにたくさん水を使えないと思っている途上国の人には賛成されないかもしれないですが、感染症などの話をすれば結構賛成してもらえる、必要だと思ってもらえるのではないでしょうか。

 

 

Q:最後に

 

「いちばん近くにあるもの」

 

水やトイレは私たちが生きていく上で絶対に必要なものであり、かつ毎日利用するとても身近なものです。だから、Goal06も私たちに1番近いものではないでしょうか。

 

 

 

(以下白井よりコメント)

ありがとうございました。

トイレの問題に対して取り組もうと考えたとき、その主体は自分自身だと割り切る潔さと周りの環境や他社に左右されない芯の強さが印象に残りました。ざっくりとした分け方ではありますが、例えば支援を受ける途上国の人、支援をする先進国の人、など何の領域、集団に属する人から派生しているとみなしているかは人によって違うと思います。それを自分のみに限定してしまえるということはきっと「自分」を大切にすることの意味(私は想像することしかできないのですが)を分かっている、肯定できているのではないかと思います。様々な領域の人や、集団がある中でやはり一番多くの時間を割ける、割いてしまうのは自分自身についてであり、それが毎日自分が生きていくということなのではないでしょうか。とすれば、そこを理解している人はある意味でプライベートな問題が干渉しないのではないか、その分トイレ問題に取り組む意志が強いのではないか、と思います。

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