こんにちは、エコ~るど京大・白井亜美と申します。今回、このSDGsインタビューのテーマは「身近な多様性」です。幸か不幸か私たちは本当に一部しか世界を認識できません。だから考えも行動も「不十分ではないか?」という指摘から逃れることはできません。ですがそれでも「自分は一人前のひとりの人間だ」と思って、毎日生き、いろんなことを考えるのではないでしょうか。私たちもまだまだ未熟ですが、隣にいる人がどれくらい自分と異なる見方を持っているか、ここに少しでも触れていただけたら幸いです。
インタビュー日:2020年2月3日
回答者:李チン(京都大学地球環境学堂OG)
Q:Goal07「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」の中で興味のあるテーマは何ですか?
個人の事業者などで自宅で発電している普通の一般市民のプロジェクトと国の大型のプロジェクトとの連携に興味があります。
Q:どうしてそこに興味を持っているのですか?
授業を通じて注目するようになったのですが、日本にはFIT制度があります。低い価格で太陽光パネルなどを導入できるように補助金を出したり、逆に自宅で発電した電力を国が高い単価で買ったりするなど政府が金銭的な支援を行うもので、これによって太陽光発電などが前に進みやすくなります。ですが個人事業の発電には課題があります。例えば技術のレベルでいうと壊れたときに修理できないことがあり、小型の太陽光パネルは発電効率が低いかもしれません。こういった問題は解決しにくいのではないかと思います。
Q:SDGsが2030年までの目標達成を掲げていますが、この「FIT」は2030年へ向けてどうなっていくものだと想定していますか?
皆がエネルギーを太陽光パネルを自分でも購入したときにFIT制度は止まると思います。2030までにまず市民の意識が高まると思います。太陽光パネルの購入は環境に優しく、自分の収益にもなり、電気料金も少なくなるといった意識が広がっていくと思います。皆が小さいパネルではあまり発電できないし、パネルは高いです。個人で太陽光発電をする人も今は多くないので「私も(自宅で太陽光発電を)しない」と思っている人が多いと思います。これはエコな行動なのでトレンドにできたらいいと思います。根拠はないのですが(2030年までに)80%の人は個人で太陽光パネルや他の何か家庭用の発電機を持つようになると思います。そうなってほしいです。
Q:この課題に取り組むにあたって主体はどこにあると思いますか?
主体は一般市民です。もちろん、政府もやるべきことやっていると思います。電気を改修するときの値段は高いですが、制度があって補助金を出しています。新しいことを参加することを考えると、一般の人がもっと積極的に頑張らないといけないと思います。再生可能エネルギーは国が解決すべき問題ではなくて自分ができることをして、協力していけば全体も動きやすいのではないでしょうか。
Q:あなたはこのことに対してどのように向き合っていこうと考えていますか?
いろんなことに興味持ち、もっと勉強してやっぱり地球のためにも自分のためにも具体的な取り組み行動をしたいと考えています。以前家に太陽光パネルを設置された人にインタビューをしに行くことがありました。どうして太陽光パネルを設置しようと思われたのか疑問だったのですが太陽光パネルを導入することに対して様々な支援の方法があることがわかり、そして自分も何かしたいと思いました。勉強しなければ他人事です。他の人が暇だったら自分でなにかおしゃれなものを購入してエコにしている。今電力は少ないと思うので、もっと自分が知識を吸収することで他の人もより取り組みやすくなると思っています。他人のことではなくて「自分もエネルギーとかの問題を解決できる」、「皆一緒に努力すれば解決できる」と思ってほしいです。エネルギーは国の大きなプロジェクトであるというイメージがあり、自分一人の小さな行動ではあまり貢献できないのではないかと思ってきました。しかし今補助金があり、何もしなくても業者さんに工事など全部してもらえますし、発電した電力も高く売れます。自分に悪いこともなく、取り組みやすいのではないかと思います。
Q:最後に、Goal07を一言でいうと何ですか?
「FITからFUTURE」
FIT制度はより安全でより環境にやさしい再生エネルギーをもっと手軽な価格で市民に取り組ませ、未来への道を開いたと感じました。
(以下白井よりコメント)
ありがとうございました。
再生可能エネルギーの益は理解していても日本は雨が多いのではないか、自宅に設置するには費用も掛かるし効率も悪いのではないか。聞きかじっただけ、もしかしたら思いこんでいただけの情報を言い訳にして何もしようとしていなかった自分に気づかされる思いがしました。もの、科学技術があればそれで終わりでは全くない。どうやって使っていくか、使ってもらえるように支援なり、その他様々な方法を考えていくのか、その広がりは本当に際限がないのだと実感しました。その意味で広報はやはり大切なのだと思いました。人間は今、この瞬間に目の前にない事柄について考えることができます。だから様々なことを想像できますし、想定して対策することもできます。ですが将来の可能性は数えられないくらいのバラエティーに富んでいるので一人ですべてを網羅することはまずできません。自分が何か考えたらその分前には進んでいますが、誰かと協力したらもっと広がりますよね。進む道を制限されてしまうという見方ももっともだと思いますが、それでも進んでいくのではないでしょうか。ちょっと気が向いたときに少しずつ進める、私にはそれができることで、いずれは自分が生きるということになるのではないかなと思っています。