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【京大!バイオスクープ】陸貝(カタツムリとかナメクジとか)【概要版】

2024.12.17

学び 京大!バイオスクープ

文責・島田草太朗

複雑な生態系を少しでも理解し、さまざまな自然を徹底的に究明したい京大!バイオスクープ。今回のご依頼はこちら「陸貝(前編・後編)が長過ぎ!概要版を作って欲しい!」

 前後編がとても長くなってしまい、申し訳ありません。書いた本人が言うのもなんですが、あそこまで身近な陸貝に関する話題を集約した日本語の文献は他に見当たらないと思うので、是非読んで頂ければ…。しかし長いのも事実で、この概要版ではギュッと絞って一部を紹介し直します。

 

目次【概要版】

・へぇ☆「なめくじとは」

・へぇ☆☆☆「どうやって歩くのか」

・へぇ☆☆☆☆☆「カタツムリの一瞬」

・へぇ☆☆☆☆☆☆「学習し、思考し、葛藤する陸貝。」

 

目次(前編・後編)

⚫︎前編:陸貝の身体

・へぇ☆「なめくじとは」

・へぇ☆☆「同じあなで呼吸もうんちもする。」

・へぇ☆☆☆「どうやって歩くのか」

⚫︎後編:陸貝の行動

・へぇ☆☆☆☆「「アジサイにカタツムリ」は本当なのか。」

・へぇ☆☆☆☆☆「カタツムリの一瞬」

・へぇ☆☆☆☆☆☆「学習し、思考し、葛藤する陸貝。」

・へぇ☆☆☆☆☆☆☆「動物の行動の起源!?」

 

陸貝

陸生の軟体動物(貝類;Molluscs)のこと。(今の所)陸貝は腹足類(巻貝類;Gastropods)のみ。京大構内でよく見られるのは、所謂でんでんむしやカタツムリやナメクジと聞いてイメージされるものなどの、直腹足亜網(Subclass orthogastropoda)Apogastropoda(下網)異鰓上目(Heterobranchia)有肺類 (Pulmonata)柄眼目(Stylommatophora)の一部。

 

へぇ☆「なめくじとは」

 

 ナメクジが貝の仲間だと言われて驚かれる方も少なくないと思います。実は、ナメクジのご先祖様は元々、カタツムリのように貝を背負っていたのです。実際、ナメクジ(蛞蝓/ slug/ land slug)とは、殻が退化した陸生巻貝(腹足類)の総称なのです。但し、ナメクジという和名の種(Meghimatium bilineatum;英名: Chinese slug)も有ることに注意が必要です。区別するために「フタスジナメクジ」を和名として用いることもあります。

 有肺類では10以上の科レベルの分類群が貝殻を失ってナメクジ化(limacization(limaxがラテン語でナメクジを意味する))しています。サザエの壺焼き等を思い出して頂ければ分かると思いますが、巻貝の内蔵は貝殻内に収められています。ナメクジ化とは内蔵をギュッと頭や腹(足)側に寄せて詰め込むと同時に殻を収縮させて行く過程で、大雑把には次の二段階に分けられます:

 

段階①: 体表面に外套構造や内蔵の入ったこぶが残っていたりするものの、大雑把に体型が円筒状(ナメクジの形)となっている。

 

段階②: 体表に内蔵の塊や外套構造の痕跡の一切がない。それらの痕跡は失われているか、頭の少し後ろの腹に近い所の血体腔の内側に収納されてるかである。こぶの無い一様に滑らかな表面をしている。

 

 多くの分類群がナメクジ化して段階①に達している一方、段階②に達しているのは収眼類(Systellommatophora)のみ(海生も含めればmarine doridacean nudibranchs: 裸鰓類(らさいるい: ウミウシの仲間)ドーリス亜目 も)です。しかし、日本の私たちが普段見かけるナメクジであるナメクジ(種名)やチャコウラナメクジは収眼類ではなく柄眼類なのです。つまり、私たちが普段ナメクジと呼んでいるものはナメクジ化の完成形ではないということになります。

 

 

チャコウラナメクジ(本部構内)。身体の半分くらいに境目のようなものがありますが、それより前方を覆っているのは外套膜。

ナメクジ(吉田南構内)。お尻の先端だけ色の異なる組織が見えていますが、そこだけ外套膜に覆われていない、それ以外は外套膜に覆われている。

 

 陸貝がナメクジ化する理由は、殻を持つことに主に次のような不都合が生じるからです:

 

① 殻を作る費用。炭酸カルシウムを能動的に取り込んで形成するのに掛かるエネルギー。

 

② 移動の不便。殻の重さはそれだけ移動の際エネルギーを奪う。また殻は移動の障壁となり、行動範囲の制約となる。

 

より詳しくは前編で!

 

へぇ☆☆☆「どうやって歩くのか」

 

 巻貝は「腹足類」という名の通り、腹足とも呼ばれる軟体部と地面が接する「腹」全体を「足」として運動させることで移動します。これが「這う」こと、這行運動(しゃこううんどう; crawling locomotion, adhesive locomotion)です。巻貝が透明な板の上を「這う」様子を裏から見ると弛緩収縮(しかんしゅうしゅく)の模様(筋収縮パターン)を見ることができます。巻貝の移動に伴ってこの筋収縮パターンは波打ちます。ふつう、陸貝の場合はこの波の進行方向が陸貝自身の進行方向と一致します。海の貝では別の色々な移動の仕方があり、

下から見てみる | カガクノミカタ | NHK for School 

https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005110365_00000

を是非ご覧下さい(流石NHK)。この動画の中で紹介されているシッタカガイやサザエの様に左右非対称な筋収縮波を ditaxic wave 、陸貝(e.g. カタツムリ)の様に左右相称な筋収縮波を monotaxic wave と言い、左右相称(monotaxic wave)でもヒザラガイの様に身体の進行方向と逆向きならば retrograde wave 、陸貝(e.g. カタツムリ)の様に同方向ならば direct wave または prograde wave と言います。

この図は陸貝というよりヤスデの歩き方の図と言った方が誤解がない。しかし本質的には同じことで、伸長部を地面に摩擦により固定し、一方で収縮部を(滑らせるか浮かせるかして)摩擦から解放することで、direct wave となる、前進する。(手書きの図ですみません…)

 

この図で先ず分かることは、伸長した部分は接地させて(図の直線部分)収縮させた部分を浮かせる(図の曲線部分)、という約束の下で、伸長-収縮の波(筋収縮波)を生み出せば、その波の伝わるのと同じ向きへと全体が進行する、ということです。これはより一般には、収縮部分で地面との摩擦を小さくし、伸長部分で地面との摩擦を大きくする、という摩擦制御により direct wave となる重心移動が可能になるということです。収縮部分を持ち上げ地面から離す、というのは、この摩擦制御の特殊な一例に過ぎません。陸貝の場合、粘液を使って摩擦制御を行います。

 腹足と地面間にある粘液は何の動きも無い時は弾性固体ですが、筋肉収縮により粘液に力が掛かりその力が或大きさを超えたら粘液は素早く粘性流体に変化し、続いて収縮波が去る際に粘液に掛かる力が或大きさを下回ったら粘液は弾性固体に戻る、これにより、普段は弾性固体として地面との摩擦を生んで滑らないようにしている粘液が、筋収縮波の収縮部分下では瞬間的に粘性流体となり液体的に振る舞うことで摩擦を減じるという摩擦制御を示すのです。収縮部分で地面との摩擦を小さくし、伸長部分で地面との摩擦を大きくする、という direct wave による重心移動の条件がこうして満たされているのです。陸貝はこうして全く身体を浮かせずとも歩くことができる、小さな筋力だけで歩けるのです。

 粘液に備わった物理学的な性質を用いることで、とても単純に、筋収縮波を伝えるというだけで、とても小さな筋力で、陸貝の移動が可能となるのです。

 

より詳しくは前編で!

 

へぇ☆☆☆☆☆「カタツムリの一瞬」

 

 いきなりですが、「環世界」という言葉を聞いたことはありますでしょうか。環世界(かんせかい; Umwelt)とは、特定の生物が感覚し、活動する世界、その生物がまさに生きて経験している主観的世界のことです。環世界という概念は、エストニア出身のドイツの生物学者であるヤーコプ・ヨハン・バロン・フォン・ユクスキュル(Jakob Johann Baron von Uexküll; 1864-1944)により提唱されました。

 そんなユクスキュルは1933年出版の本『生物から見た世界』の中でカタツムリに触れています。「カタツムリの一瞬」を探り、私たちの知る「時間」も主観的なものでしかないことを示すためです。ユクスキュルの実験の中で、カタツムリ(リンゴマイマイ;Helix pomatia)は、目の前に棒を差し出せば登って来ようとしますが、1秒間に1〜3回その棒でカタツムリをつつけば棒を避けます、棒が不安定だからです。しかし同じことを1秒間に4回以上行えば、ただ棒を差し出した場合と同様に棒を登って来ようとするのです。奇妙な行動に思えますが、ユクスキュルはカタツムリの環世界を考えることでこの奇妙さを解消します。つまり、「カタツムリの一瞬」が1/4秒より長く1/3秒以下の時間であるのだと言うのです。どういうことか。これは擬人化なのでヒトに照らし合わせて考えてみましょう。

 「ヒトの一瞬」は1/60から1/15秒です。どういうことか。例えば私たちは動画を「滑らかな映像」として、映像でない実際の動きと同じ滑らかさを、体感しますが、実際はコマ送りであって、静止画の連続を見ていて、コマ送りの残像なのです。滑らかなのは、静止画から次の静止画への移行が1/30秒だったり、「ヒトの一瞬」かそれよりも短い時間間隔で行われているからです。また、電球の光をスロー撮影するとちかちか点滅しているように見えるという経験が有る方も多いかと思いますが、あれは実際に点滅していて、しかし「ヒトの一瞬」以内の出来事故に普段点滅に気が付かないのです。

 つまりここで言う「一瞬」とは、それより短い時間に起こる変化は知覚できないという意味(定義)です。そして 1/(一瞬) を時間分解能(temporal resolution)と言います。ヒトの時間分解能は 15~60 Hz 、カタツムリの時間分解能は約 4 Hz というわけです。ユクスキュルは実験で、カタツムリは1/4秒間隔で起こる棒の変化を知覚出来ずに静止した棒として知覚している、ということが示された、としているのです。

 ユクスキュルの主張に従ってカタツムリをもう少し擬人化して見てみましょう。カタツムリ専用の映画館を考えて下さい。この上映する映画のコマ送りは1秒間に4コマで十分です。何故ならそれよりコマを増やしても「カタツムリの主観」では関係無いからで、それでカタツムリには「滑らかな映像」になるからです。この擬人化をヒトの感覚に落とし込めば、カタツムリの環世界の時間の流れが分かるかも知れません。つまり、1/4秒毎に一枚の写真を撮影して一枚一枚が一コマの映画を作り、それをカタツムリ専用映画館ではなく私たちの映画館、1/15や1/30秒間隔でコマを移行する映画館で上映したら、その映像に流れる時間がカタツムリが体感している時間という風に考えられなくもないわけです。明らかにそれは私たちには4-8倍速といった早送りの世界です。のんびりしているような陸貝ですが、実際はちっとものんびりせず何もかもが目まぐるしく起こるような世界を生きている、とも思えてくるわけです。

 

より詳しくは後編で!

 

へぇ☆☆☆☆☆☆「学習し、思考し、葛藤する陸貝。」

 

 カタツムリやナメクジなど、陸貝にも脳が有ります。この脳には脊椎動物の脳と共通の起源は無く、脊椎動物とは独立した系統発生を辿ったからこそのパラレルワールド的魅力が有ります。そんな陸貝の脳や神経の働きを調べる「陸貝の脳科学・神経科学」とも呼ぶべき研究では、ユクスキュルの実験同様、様々な状況下で陸貝の行動を観察することから多くの知見を得ています。他にどんな行動を見せるのか、幾つか紹介します。

 比較的盛んに研究されているのが、学習です。ここで言う「学習」とは、何らかの経験の後で行動が変わることです。理解の助けとなるよう、少し用語解説を挟んで措きます:

 

古典的条件付け(classical conditioning)又はパブロフ型条件付け(Pavlovian conditioning)とは、無条件刺激(US)への自然な反応として起こる無条件反射が、無条件刺激(US)に新しい刺激(条件刺激、CS)を関連付けて学習した結果として起こり方はどうなるか、という話です。生理学者イワン・パブロフの犬の実験が有名で、以下の構成要素の組合せ次第で条件付け学習の種類が様々に分かれます:

無条件刺激(Unconditioned Stimulus, US)

 — 学習せずとも自然に(本能的な)反応を引き起こす刺激(例:食べ物)。

無条件反射(Unconditioned Reaction, UR)

 — 無条件刺激(US)に対する自然な反応(例:唾液分泌)。

条件刺激(Conditioned Stimulus, CS)

 — 元々反応を引き起こさなかった刺激(例:ベルの音)だが、無条件刺激(US)と組み合わされる(学習する)ことで、特定の反応(条件反射CR)を引き起こすもの。

条件反射(Conditioned Reaction, CR)

 — 学習の結果、条件刺激(CS)に対して引き起こされる反応(例:ベルの音で唾液が出る)。

 

 実は陸貝でも、この条件付けプロセスで行動観察する研究が多く行われてきたのです。例えば陸貝は、学習理論の用語で言えば、次の①〜⑧のような学習行動を示すことが知られています。実際に陸貝で確認されたものを例として箇条書きで添えています:

 

一次条件付け(first-order conditioning)

条件刺激(CS)を無条件刺激(US)と直接結びつけて、条件反射を学習する最も基本的な形式の条件付け。例えば「パブロフの犬」だと、ベルの音(CS)と食べ物(US)をペアリングすることで、犬がベルの音に対して唾液を分泌する(CR)ようになった。

 

二次条件付け(second-order conditioning)

一次条件付けで学習した条件刺激(CS1)を使って、新しい刺激を条件付けすること。例えば犬だと、ベルの音(CS1)で更に特定の光(CS2)を条件付けし、その光だけで唾液分泌(CR)を引き起こさせること。

 

遮断(blocking)

既に条件付けされた刺激(CS1)が存在する場合、同時に提示された新しい刺激(CS2)への条件付けが妨げられる現象。例えば犬だと、最初にベルの音(CS1)と食べ物(US)を条件付けた後に、ベルの音と光(CS2)を同時に提示しても、光(CS2)への条件付けはほとんど起こらないこと。

 

感覚的予備条件付け(sensory preconditioning)

二つの(条件)刺激(CS1, CS2)が事前に組合わされていると、一方の刺激が無条件刺激(US)と結びついた場合、もう一方の刺激も条件反射を引き起こすようになる現象。例えば犬だと、光(CS1)と音(CS2)を事前にペアリングし、その後音(CS2)と食べ物(US)を条件付けると、光(CS1)も唾液分泌を引き起こす(CR)ようになること。

 

消去(extinction)

条件刺激(CS)が無条件刺激(US)と組合わされなくなることで、条件反射(CR)が徐々に弱まり、最終的には消失する現象。パブロフの実験では、ベルの音(CS)を鳴らしても食べ物(US)を与えなくなると、犬は次第に唾液を分泌(CR)しなくなることが観察された。

 

潜在制止(latent inhibition)

無条件刺激(US)とペアリングされる前に、条件刺激(CS)が繰り返し単独で提示されると、その後の条件付けが遅れる、または弱まる現象。ざっくり言えば、条件刺激が事前に無意味だと認識され、その刺激が無条件刺激と結びついたときでも、学習が起こりにくくなること。例えば犬だと、ベルの音(CS)が何度も聞かされても何も起こらなかった場合、後にベルの音(CS)と食べ物(US)が関連付けられても、犬は(それ以前にその音が「重要でない」と認識されている故に)すぐにベルの音(CS)に対して反応(条件反射CR)を示さないこと。

 

隠蔽(overshadowing)

二つ以上の条件刺激が同時に提示された場合、一方の刺激が他の刺激の条件付けを妨げる現象。例えば犬だと、強い光(CS1)と弱い音(CS2)を同時に提示して食べ物(US)を与えた時、犬が光(CS1)に対しては強く唾液分泌(CR)して音(CS2)に対してはほとんど唾液分泌(CR)を示さないこと。光が音を「隠蔽」し、音に対する条件付けが十分に行われなかったと解釈される。

 

条件抑制(conditioned inhibition)

特定の条件刺激(CS)が無条件刺激(US)の出現を予測しないことを学習し、その刺激(CS)が反応(CR)を抑制する現象。例えば犬だと、光(CS1)が食べ物(US)を予測させ唾液分泌(CR)を起こすが、ベルの音(CS2)が食べ物(US)が来ないことを示す場合、音が光に対する唾液分泌(CR)を抑制すること。

 

 また、陸貝の葛藤とも言える行動も観察されています。チャコウラナメクジを明るい光に曝せば暗い場所へ避難しようとしますが、暗い所へ入ろうとする時にキニジン硫酸水溶液を吹きかけ嫌がらせた所、翌日以降、明るい光に曝した時に同じ暗い場所へ行くのに掛かる時間が長くなり、明るい所に居たくないがかといって暗い場所に入ると痛い目に遭う、と迷っているとも言えるのです。別の観察では、暗い場所の奥に有る野菜ジュースを食べようとした瞬間にキニジン硫酸水溶液を吹きかけると、それ以降、暗い場所へ入ることも躊躇し、暗い所へ少し入ってみてまた明るい場所へ戻ってきたりと行ったり来たりする、葛藤とも言える行動が示されています。

 

 草食動物である(殆どの)陸貝ですが、移動能力の制限故に特定の植物を食すのでは生存出来ず、多様な植物を食べなければなりません。しかし勿論あらゆる植物が食べて無害ということはありません。苦味や毒味等の植物の化学防御が有る中で、摂食活動の最適化機構の一つとして、陸貝は、苦味や毒味と植物の臭いとを結び付ける連合学習(associative learning)を発達させたと考えられます。

 

より詳しくは後編で!

キセルガイ科

 

(まとめ)

 

陸貝(カタツムリやナメクジ)のこと、知ってるつもりになっていませんでしたか?こんな身近で「地味な」生き物に、「下等」生物に、こんなに知的好奇心をそそる話題が一つではなく沢山眠っていたなんて、そう不知を自覚した時、自分の中でささいなパラダイムシフトが起こるような興奮が沸き起こったのではないかと、その感覚を共有できたのではないかと、期待します。

 

陸貝を知ることは無知の知、不知の自覚。

 

 この20年という間で、筆者(2000年生まれ)の感覚でも、カタツムリを見かけなくなっているという気がします。子供心を失ってしまったこともあるかも知れませんが、実際、近畿地方では、約200種いる陸貝の内、半数の約100種に絶滅の恐れがあるとも言われていて、様々な要因の内、減少の一つの大きな要因として乾燥化があると言われています。公園などで落ち葉や朽木を除去したりすることが実は陸貝の避難場所となる湿った環境を破壊することとなってしまうと言われていて、「環境整備」と「環境破壊」が紙一重なのだと考えさせられます。

 

参考文献

[1] 【京大!バイオスクープ file 38】 陸貝(カタツムリとかナメクジとか)【前編:陸貝の身体】

[2] 【京大!バイオスクープ file41】陸貝(カタツムリとかナメクジとか)【後編:陸貝の行動】

 

————–以下お知らせ————–

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