カンボジアのゴミ問題と現地の人たち
8月17日作成
- 今回は、カンボジアでのゴミ問題についてお送りしたいと思います。
- 私自身がこの春にカンボジアを訪れた際に聞いたり見たりしたことについて書いていきたいと思います。
● 1.観光の町・シェムリアップ
- カンボジアと言えば、アンコールワットでしょうか。
- アンコールワットは、カンボジアで一番の観光都市シェムリアップにあります。
- シェムリアップの町は観光客が非常に多く、町は私の想像以上にきれいでした。
シェムリアップは道沿いに点々とゴミ箱が設置してあります。また、ホウキなどで掃除している方もみかけました。
現地のガイドAさん(50代)は、
「僕が子供の頃はゴミ箱なんかなかったよ。でも、外国の人がゴミ箱について教えてくれた。今は臭くないし綺麗だから気に入ってるよ。」
と教えてくれました。もともと現地の方には、ごみ箱という概念はなかったそうです。
- しかし、シェムリアップの中でも現地の方しかほとんど行かない地域では、ポイ捨てが当たり前でした。
- フルーツの皮や種などは道のその辺にぽいっという感じです。
●2.普通の村・ローク村
- カンボジアでも田舎のローク村というところを尋ねました。
- 観光客はめったに訪れないような村です。
- 写真のように、村の道にはあちこちにゴミが落ちていました。
村の方にお聞きしたところ、
- 「別に汚いとか思わないよ。溜まってきたら、村のみんなで拾って、一か所に集めて燃やすんだ。」
- 「えっ!じゃあ、ごみ箱を置いた方が早いのでは…?それに体に悪そう…」
私はそう思い尋ねましたが、
- 「そうかな…」
という調子で、今の状況をなんとも不便とは思っていないようです。
●3.カンボジアのゴミ山問題
- カンボジアと言えば、残念ながらゴミ山も有名です。
- 一般にプノンペンのゴミ山が広く知られているのではないでしょうか。
- 私は、ここ5年で新しくできたというシェムリアップのゴミ山を訪れました。
- 煙のように見えるのは、ゴミから発生したガスです。
- ゴミ山は強烈な臭いで、私はマスクをしながらも口呼吸をしていました。
- このゴミ山では多くの方が働いていました。
- ゴミ山の中に簡易な家をたてて、住んでいるかたも多くいました。
働いている方に尋ねたところ、
- 「自分が働きたい日に働いて、それで1日1ドルぐらい稼げる仕事だから楽しいよ。」
- 「農業できない乾季の時期だけ働きにきている。大事な仕事だよ」
など、予想に反して悲観的なことは聞かれませんでした。
貴重な仕事のようです。
こうした人々は、それぞれが担当を持っていて、ペットボトル担当・缶担当・ゴム担当などと分かれているそうです。そして、この人たちによってゴミは分別され、それぞれ業者に買ってもらって収入を得ているという仕組みだということです。
驚くことに、シェムリアップに住む現地の人でもこのゴミ山の存在を知らない人の方が多かったです。
もし日本で住んでいる県内にゴミのたまり場ができようものなら大ニュースだと思いますが、カンボジアの現地の方はあまり関心がないようでした。一緒にゴミ山に行ってくれた通訳の方も、ゴミ山について私たちに何か意見をいうことはありませんでした。
●4.カンボジアのゴミの現状をみて感じたこと
- 私が実際に聞いたこと・見たことを書いてきました。みなさんはどう感じたでしょうか?
- カンボジアの環境問題は、少し調べただけでもたくさんのことがでてきます。
- 今回は、環境問題のひとつのゴミ問題のほんの一部分についてのみでしたが、ただ
- カンボジア現地の今の雰囲気を知ってほしい、という思いで書かせていただきました。
これからカンボジアが発展するにつれてゴミ問題に取り組む際に、日本も無関係ではないと私は感じているからです。
私は専門家ではないですから、意見などを書くことは控えておこうと思います。この記事を通してみなさんが少しでもカンボジアの問題について興味をもっていただければ嬉しく思います。
文責:沈 理恵