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KUINEPの学生によるキャンパスの持続可能性に関するフィールドワーク報告/ジェーン・シンガー先生【地球環境学堂】(No.10)

2012.08.31

学び

今回はジェーン・シンガー先生たちのレポートの紹介をしたいと思います。2012年5月にシンガー准教授(地球環境学堂)とマクレラン准教授(エネルギー科学研究科)は留学生と日本人学生向けにキャンパスの持続可能性に関する講義を行いました。「持続可能な未来の構築:原則と挑戦」と題した集団学習型の学生向けKUINEP(Kyoto University International Education Program)コースの一環です。
講義の間、生徒たちは京都大学の持続可能なキャンパス像を真剣に考え、私たちに多くの提案をしてくれました。このようにすべてのステークホルダーが情報を共有でき議論できる機会を多く持つことができるといいですね。
英語版のレポートは[?こちら ]から閲覧できます。
?? The Report in English version can be read [ here?].

生徒の関心を通じたキャンパスの持続可能性の向上

2012年5月、「持続可能な未来の構築:原則と挑戦」と題したKUINEP提供の春季学部生向コース(コース長:ギャノン准教授)所属の24名の留学生と日本人学生が京都大学キャンパスの持続可能性について調査しました。生徒が調査したのはキャンパスの環境管理に関する5つの分野―エネルギー、交通、廃棄物、食品、土地と建物―です。ティーチングアシスタント(TA)に引率されて各チームはキャンパスを行き来し、持続可能性に関して良い例と悪い例を探し、各自のトピックについて見識のある教職員にインタビューを行いました。そして、得られた知見や提案を学生同士、また、環境科学センターからのゲストと互いに共有しました。以下にその一例を紹介します。


写真:キャンパスのエネルギー管理者へのインタビュー

持続可能性につながる好例

生徒はキャンパスで実践されている良い環境配慮行動をいくつか発見しました。

  • ・ J-Podセミナーハウスは国産材を使用し、エネルギーを削減している。
  • ・ 生協食堂は食事の栄養情報を公開している。;使用済み天ぷら油はごみ収集車のバイオディーゼル燃料にリサイクルされている。;食の安全基準が厳しく維持されている。
  • ・ エネルギー科学研究所では「スマートオフィス」を増やすためソーラーパネルを利用している。
  • ・ 自動車や電車より自転車の方が多く生徒や教職員に利用されている。
  • ・ キャンパスではごみは種類ごとに分別されている。
  • ・ 生協ショップはレジ袋を渡さないようにしている。
  • ・ 紙消費量削減または古紙リサイクルの努力がされている。


写真:エネルギー科学研究科の石原先生が自身の「スマートオフィス」で節約術を説明

発見された問題点

生徒は今後改善が求められるいくつかの問題点も発見しました。

  • ・ 廃棄物:あまりに多くの紙が捨てられている。;ごみや食品の廃棄について責任を負う一本化されたシステムがない。;部局間で研究室、講義室のごみの分別区分がばらばらである。
  • ・ 建物:断熱性に欠ける。;窓が小さい。;キャンパスと学生寮の関係が希薄。;改善(改修)が断片的である。;わずか10-20%の建物した省エネ型の建物に改装されていない。
  • ・ 交通:数百台もの自転車が廃棄されている。;6,700台分の駐輪スペースが足りない。;廃棄される自転車のリサイクルシステムがない。
  • ・ 食品:食堂で配膳されなかった料理を欲しい人に譲るシステムがない。;産地に関する情報がない。
  • ・ エネルギー:京都大学は京都市で最もエネルギー消費が大きい事業所の1つであり、エネルギー消費はそれほど減っていない。;エネルギー消費量を削減させるような政府の要請力はほとんどない。
  • ・ その他一般:共通したガイドラインがない。;一本化されていない意思決定。;生徒と部局に協力しようとするモチベーションがない。;大学の規則や方針が生徒に届いていない。;環境に関する意識や協調が十分ではない。


写真:講義で生徒たちが成果を共有


写真:環境科学センターの中川先生と矢野研究員が生徒のコメントに回答

生徒からの提案

生徒からのフィードバックの際に、キャンパスの持続可能性を高めるいくつかのアイデアが出されました。

  • ・ 包括的にアプローチできるよう持続可能な政策、実践と教育に関する特別なキャンパスの中組織を立ち上げる。
  • ・ キャンパスでソーラーパネルをはじめとする新しい技術を促進する。
  • ・ インターネットを使って自転車の交換、リサイクルシステムを構築する。卒業生から新入生へ自転車を譲り渡す。
  • ・ 部局間で統一した廃棄物政策を確立する。
  • ・ 大学とコミュニケーションをとり、責任を共有する。
  • ・ 学生寮と蜜に連携しエネルギー消費や環境配慮行動について協力する。
  • ・ ベジタリアンフードのメニューを増やす。
  • ・ 環境政策の意思決定に教職員、学生を交える。
  • ・ 持続可能性について部局に教育する。
  • ・ リサイクルをはじめとする環境に関するルールや政策について学生ワークショップを開催する。
  • ・ 自転車リサイクル、廃棄物リサイクルや古紙削減に対して学生サークル等と連携する。
  • 環境配慮行動として、個人の行動をどう変えればよいのか生徒に教育する。


写真:TAと生徒たちがフィールドワークと成果について議論

生徒のこうした提案は7月の2012年度環境報告書ステークホルダー委員会でも紹介され、教職員や学生のみなさんに興味を持って聞いてもらい、細部にわたって前向きな回答をいただきました。

<文責>矢野順也

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