全員参加型で環境負荷を低減した持続可能なキャンパスの実現を目指す強化イベントとして、「エコ~るど京大2015」を開催した。
2015年6月19日 エコキャンドルで京都大学創立118周年をお祝い
環境月間である6月にあわせ、1ヶ月間、吉田キャンパスを中心に様々な企画を展開した。なお、「エコ~るど京大」とは、 エコ×世界(ワールド)からの造語であり、「Think globally, Act locally, Feel in the Campus !」のメッセージをこめると同時に、京大の中でエコを学ぶ学校(Écoleとはフランス語で学校)を多様な形で開校する意味もこめたものである。
6月2日から29日の間は、京都大学生協ルネ1Fに、「京都大学で環境学を考える研究者たち」のオープンラボが出現し、多様なアプローチで環境問題に迫る12名の研究者が日替わりで駐在した。今年は、マイカップでドリンクを楽しめ、フェアトレードコーヒーやはちみつドリンク、多国籍のお茶が、会話をより一層盛り上げた。また、クスノキ染めやリメイク、風呂敷包み体験コーナー、エコアート作品も人気を博した。
15日の週は、京都大学生協カンフォーラとの連携で「ナイルビールdeサステナブルナイト」と銘打った環境配慮型ビアガーデンを展開した。廃油と桂キャンパスの竹などを活用したエコキャンドルが彩を添えたほか、地(学内)産地消の食材やリユースカップなどが活躍した。19日には、参加者とともに京都大学の創立118周年をキャンドルで祝った。
20日には、京都大学時計台百周年記念館とその周辺で「くすちゃんフェスタ」(くすちゃんは、京都大学の環境取組のキャラクター)を開催した。記念館1Fホールでは、学内団体等がエコパフォーマンスを繰り広げたほか、ごみ削減をテーマとした特別シンポジウムを開催した。記念館周辺では、様々な団体によるブースやチャリティーバザーが開かれた。歌あり、食あり、学びあり、動物とのふれあいありと、多様な環境問題との出会いに、多くの参加者が充実した1日を過ごした。
学内外の団体と連携した企画としては、エコクッキング教室や環境関連教材を開発するワークショップなども開催した。
また、SNSを活用して「1日1エコ(1つでも良いので環境配慮行動を実践することの積み重ねが重要であるとの想いをこめている)」を訴求するプロジェクトも展開した。1日1人(組)のエコメッセージをFB(https://www.facebook.com/ecosengen)で発信するものであるが、「ぬか漬け」をバトンに見立てて、つないでいった。天地返ししながら、個性豊かなメッセージが飛び出したが、同時に、ぬか漬けを始めとする保存食や食材の活用など、先人の知恵に想いを馳せる機会にもなった。
多くの関係者の協力により、1ヶ月間、様々な企画を行うことができた。多くの人に少しでも気づきや参加のきっかけを与えることができたと考えており、今後に繋げたい。
◆【報告】特別シンポジウム
「京の始末の文化を世界に ~2R(リデュース・リユース)に挑む~」
6月20日のくすフェスにて、特別シンポジウムが15:15~16:45に開催された。
京都には、「始末の心」が根付いているといわれるが、それを新しいスタイルで、ごみ削減につなげようという取組が始まろうとしている。そこで、家庭や観光・飲食業、研究者や若者など、様々な立場から、現状について報告し、今後について議論した。
酒井伸一(京都大学環境科学センター長)がコーディネーターを務め、門川大作(京都市長)、庄子真憲(環境省 大臣官房廃棄物・リサイクル対策部企画課 リサイクル推進室長)、佐伯久子(京都市地域女性連合会長)、堀場弘之(「京料理 六盛」主人)、西京高校の2R研究プロジェクトチームのみなさんが登壇した。ディスカッションでは、京のおもてなしの心とごみ減量の両立の在り方、高校でのチャレンジなどについて、今後の政策にも繋がる論点が見いだされた。
なお、詳細は連携団体が発行する「びっくり!エコ新聞」で報告されているのでご参照頂きたい。