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Goal09「産業と技術革新の基盤を作ろう」(小野田千寛)

2020.04.16

学び 2020年新入生リーフレット

こんにちは、エコ~るど京大・白井亜美と申します。今回、このSDGsインタビューのテーマは「身近な多様性」です。幸か不幸か私たちは本当に一部しか世界を認識できません。だから考えも行動も「不十分ではないか?」という指摘から逃れることはできません。ですがそれでも「自分は一人前のひとりの人間だ」と思って、毎日生き、いろんなことを考えるのではないでしょうか。私たちもまだまだ未熟ですが、隣にいる人がどれくらい自分と異なる見方を持っているか、ここに少しでも触れていただけたら幸いです。

 

 

インタビュー日:2019年12月24日

回答者:小野田千寛(京都大学工学部4回生)

 

 

Q:Goal09「産業と技術革新の基盤を作ろう」の中で興味のあるテーマは何ですか?

 

今バイトをしていますが、売り上げのために自分が人ではないロボットに、産業の歯車になってしまったような感じがします。そうした売り上げなどが経済発展につながるとしたらそのゴールである経済発展って何だろうか、経済発展は自分たちがそういう思いをしてまで目指すものなのかとすごく思います。つまり経済発展は絶対いいもので豊かになるイメージがありますが、そうではないのではないか、それは本当に豊かさなのかと疑問を感じます。政治家などは割と経済発展ありきでいろんなことをしているように思えるけれどもうちょっと根本的なことも考えた方がいいのではないかと思います。経済発展は環境問題や人権、働き方、そういうものと相反するようなところがあるのではないかということについてもう少し考える必要があるように思います。最近の一番の収穫はこの問題がすごく難しいとわかったことです。例えばGDP が低めの国がある程度産業化することで衛生面が良くなったりちゃんと生活できるだけの仕事と収入が得られるようになったりするのであれば経済発展もすごくいいと思うけど、その達成に関してはGDPを上げるよりインフラを整備する方がいいと思います。先進国は直感的ではあるけれどいい加減、限界ではないかと思います。そんな革新的な技術がこれから出てくるのか、拡大拡大といわれるけど地球が有限なのにどうやって拡大していくのか、日本でいうとそんなに需要などないのではないかとすごく思います。先進国であればある程度インフラなどの生活基盤ができているから発展し続けることにそんなに意味があるのかと疑問に思います。必要かそうではないかの線引きは難しいけど「経済発展し続ける」というのがちょっと気になります。ここが難しいところで、今はGDPがメインですがお金ではない価値観が生まれてこないと厳しいのではないかと思います。難しいですが、幸福度みたいなものが一定以上満たされる社会ができたらすごくいいですね。GDPのためにボロボロになるまで働くのはどうなのかと思います。

 

 

Q:このGoalに取り組むにあたって主体はどこにあると思いますか?

 

ここには開発途上国のことが書いてあるので、先進国じゃなくて開発途上国の生活の危うい人が主人公になるべきだと思います。

 

 

Q:小野田さんはそういう「主体」とどれくらい関わりがあると意識されていますか?

 

毎日は意識しない。例えば買い物するとき、どこの人が作っているか、この人たちは搾取されていない工場で働いているのか、自分が商品を買うことによってどういう影響が生まれるのかなどを考えます。

 

 

Q:SDGsが2030年までの目標達成を掲げていますが、この「豊かさと経済発展」問題は2030年へ向けてどうなっていくものだと想定していますか?

 

10年で本当にすべての国がちゃんとインフラ整っている状態になるのは無理じゃないかと思います。ある程度今より良くなっているとは思いますがすべての国がそうなるかどうかはわからないし、そうならなくてもいいところもあるのではないかと思います。安易なイメージですがアマゾンの原住民など、そこで独自の文化があり、何か近代的なインフラとかが別になくても不自由しないといったこと関しては(必ずしもインフラの整備は必要不可欠ではない)。すごく当たり前のことですが、その人自身が自分たちはそれでいいって思うならそれでいいと思うし、すごく不平等だなって感じるなら困っていると感じるなら変えた方がいいのではないでしょうか。正直、全部の国が日本みたいになったら資源がすぐになくなりエネルギーもすぐになくなるのではないかと思います。インドとか人口の多い国で全員が車を持ったらどうなるのでしょうか。それがすごく難しい。今の先進国そのものをやるのではなくて、それこそ技術が改良される必要があると思います。

 

 

Q:Goal09の特徴は何だと思いますか?

 

前からODAとか途上国に対する支援はあったので国連でGoalを創ろうとなったら真先に09のようなGoalは入るだろうと思います。当然の結果のように思えます。2030年という期限の意味は正直よくわからないですが、持続可能な開発って(SDGsの)前から言われていて、それを明文化して活動しやすくしたのがSDGsだと思っています。Goal09に関していえば先進国の政府や企業などの支援する側にとって、支援の仕方がいろいろある中でどういう方向に支援を進めたら良いかすごく悩ましいけれど、Goalには方向性を示されていると思います。例えばダムを作るときそこにはいろんな問題が絡んでいます。インフラ面ではいいのかもしれないけど環境破壊になるかもしれないというようにいろんなことが絡みついています。その中でこのゴールに当てはまっているからこういう支援をしようという根拠になるのではないかと思います。

 

 

Q:次の10年間、小野田さんはGoal09とどのように向き合おうと考えていますか?

 

GDPを妄信するのではなくて、経済発展をどこまで続けていくのか、経済発展のいいところ悪いところなど私も考えていこうと思っています。経済発展ではなくて途上国の生活基盤やインフラ発展などは進めたらいいと思うけど、境目、どこまでいったらゴールなのかがすごく難しい問題だと思います。直接的に支援できるのは政策を作る人や企業を動かす人だと思いますが、そういうのを決めていくのは国民ではあるのでそうしたら皆考えた方がいいですがそこも難しいです。それこそ途上国の人たちは明日の生活もどうなるかわからないのにそんな考える余裕ないと思います。難しい。でも「先進国側が考えるべき」と思います。助ける側の人がそういうことをきちっと考えたほうがいいのではないでしょうか。

 

 

Q:最後に、Goal09を一言でいうと何ですか?

 

「そろそろ立ち止まって考えたい」

 

経済成長や産業化は、当然目指すべきゴールなのでしょうか。資源は有限と言われていますが、それでも「発展」を続けることはできるのでしょうか。ひとまず必要なインフラを整備することは重要かもしれません。しかし、「発展」が向かう先を、そろそろ立ち止まって考えても良いのではないでしょうか。正解はないのかもしれませんが…。

 

 

 

(以下白井よりコメント)

ありがとうございました。

自分の経験から経済発展の必要性に疑問を感じながら経済発展によってもたらされる恩恵も理解できてしまう、無視できず、どこまでが必要でどこからが必要でないかの境界もよくつかめず、その人自身が不自由を感じなければいいと思ってもそれがどういうことなのか考えようとしてもそれに詰まってしまう。何か直感があってその直感がどう実現しそうなのか考え始めるとそれが非常にぼんやりしていて、かつ気にしなければならないことが山のようにあって前になかなか進められない。この難しくてもどかしい感じがインタビューをしながらとても伝わってきました。また、私が日本が普段どれだけ便利でお金のかかる生活を送っているかも実感させられました。途上国に対して支援することが大切と直感できても、自分と同じような贅沢な生活は実現させられない、なぜなら自分が地球の資源を潤沢に使っているから。そういう否定してしまいたい冷たさが現実として存在していることにチクりとさせられました。自分が「支援しよう」などと発言することが虚しく感じて何も発せられない気分になり、代わりに「ああ、難しい」と言ってしまう。それでも、その中で経済は発展されることが求められ、私たちは前に進むことが今現在は求められ、応じているように思っています。

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