環境月間の6月に開催している初夏の陣。毎年恒例のルネ特設広場におけるオープンラボを、今年はオンラインで開催しました。「勝手に集中講義!! 超SDGs入門」と題し、京都大学の先生方17名から研究テーマ、持続可能性についてを聞く形式で実施しました。
2日間朝から晩まで普段の授業以上にびっしり詰まった時間割でしたが、各回ともに非常に内容が濃くあっという間に時間が過ぎていきました。詳しい授業の内容などは報告書からご覧ください。
2020年初夏の陣「超SDGs入門」報告書 (本ページ下部からもご覧いただけます)
最後になりましたが、ご登壇いただいた先生方、書籍販売をしていただいた京都大学生協の担当者様を始めご協力いただいた皆様に深くお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
◆初夏の陣2020 オープンラボ「勝手に集中講義!! 超SDGs入門」報告書
◆桝田詩織 (工学部2年)
6月18日・20日、両日8:45~20:45に17名の京都大学の先生方を招き、オンラインによるオープンラボを開催しました。持続可能・SDGsについて一人ひとりが視野を広げてこれからどのように社会と向き合うべきか考えるべく、多岐にわたる研究がなされている京都大学という場所で、多種多様な研究分野の先生方に「持続可能性」というテーマに対してどのように考えているのかお伺いしました。オンライン開催ではありましたが、日本全国に加え、海外からの視聴者もあり、約400名の方々、そして小学生から社会人まで幅広い年齢層の方々にお越しいただけたことを大変光栄に思います。
事前に山極壽一総長より、本企画に対してのメッセージを頂きました。
長年の歴史を持つ総合大学である京都大学だからこそ得られる知識や着眼点を大切にしていきたいと感じました。
↓山極壽一総長から本企画へのメッセージ動画
https://www.youtube.com/watch?v=6LFW9IbFb-Q
以下のような90分×16コマの時間割で、吉田キャンパスのみならず宇治や桂、更には課外授業として左京区大原から、オンラインという点を活かして様々な場所から2日間で計24時間の中継を行いました。
ご登壇頂いた先生方一覧(順不同)
・山敷庸亮先生 総合生存学館 (惑星水資源、太陽系外惑星)
・高橋良和先生 工学研究科 (土木構造物、メタボリズム)
・石見拓先生 健康科学センター (疫学研究、蘇生科学)
・福島誠子先生 野生動物研究センター(国立公園、エコツーリズム)
・大山修一先生 アジアアフリカ地域研究研究科 (生業研究、環境利用)
・矢野順也先生 環境科学センター (廃棄物、ライフサイクルアセスメント)
・角山雄一先生 放射線同位元素総合センター (放射線教育、生物影響)
・田島知之先生 宇宙総合学研究ユニット(霊長類学、食物分配)
・佐野宏先生 国際高等教育院 (言語論、古代の日本語)
・酒井敏先生 人間・環境学研究科 (フラクタル日除け、大気・海洋の力学的構造)
・久野愛先生 経済学研究科 (経済史、食品産業)
・宮野公樹先生 学際融合教育研究推進センター (学問論、大学論、異分野融合)
・矢野浩之先生 生存圏研究所 (セルロースナノファイバー、木材)
・野中鉄也先生 工学研究科 (鉄ミネラル)
・熊谷誠慈先生 こころの未来研究センター (仏教学、ブータン学)
・浅利美鈴先生 地球環境学堂 (環境教育、ごみ問題)
オープンラボの時間割
(20日2限 酒井敏先生 吉田キャンパス構内・シェルピンスキーの森)
(20日6限 野中鉄也先生 左京区大原)
各講義でははじめに、先生方の「かばんの中のプラ」をともに数えて身近なものから「持続可能性」について考えました。ほとんどの先生方に共通して、PCのプラグが多々見受けられたことが印象的でした。また、先生方からは「プラなしではやっていけない」という声を多数頂きました。
(上段左:18日3限 石見拓先生 上段右:18日7限 角山雄一先生
下段:20日4限 宮野公樹先生)
その後、各先生方が普段どのような研究をされているのか、研究室・実験室紹介を交えながらお話しして頂きました。様々な分野の研究室や実験室を一度に見ることができる機会はなかなか無く、とても貴重な機会となりました。置かれていた実験器具や本に対して、参加者の皆様からも「これは何?」という質問もたくさん頂き、日常生活では見慣れないものを多々ご覧いただけたように思います。
(18日2限 高橋良和先生)
続いて、先生方が現在の研究に至るまでにどのような出来事があったのか、その経緯などをお聞きしました。様々な年齢層の方々が視聴されている中で、自分自身と照らし合わせる方も多かったのではないでしょうか?
各講義後半では、本企画のテーマでもある「持続可能性」について各先生方がどうお考えなのか、リアルタイムで参加者の皆様からもたくさんのコメントを頂きながらお聞きしました。「持続可能性」という抽象的なテーマに対して、何をもって持続できていると呼ぶのか、どこが持続の原点なのか、1つの物事も視点によって持続可能なのか不可能なのか変わるのではないかなど各先生方の今までの経験や研究内容を踏まえて多種多様な方向へと深く議論を掘り下げることができました。決して人間だけの問題ではなく、高い倫理観も必要となるテーマですが、たくさんの先生方の考え方をお聞きし、正解のない問いが世の中には溢れているということも実感しました。だからこそ、一見関係ないと思いがちな部分にも足を踏み入れ、様々な視野を得ることが重要なのではと思います。
各日8コマ終了後には、ご登壇された先生方も含め参加者の皆様とオンライン交流会を行い、興味の赴くままに「持続可能性・SDGs」というテーマについて討論しました。中には小学生・中学生も参加してくださり、学校でできるコロナ対策×エコなど身近な部分にもたくさん考えるべき話題はあることを実感しました。
本企画終了後には、吉田キャンパス構内ショップルネの書籍コーナーにて、ご登壇された先生方の「大学生のうちに読んでおいて欲しい本」の特設コーナーを設けて頂きました。各先生方の研究内容に則した様々な分野の本が並んでいるほか、漫画版「風の谷のナウシカ」については複数人の先生方がおすすめされていたことが印象的でした。
公開許可を頂いた部分のみとはなりますが、本企画のアーカイブをYouTubeにて限定公開しておりますので、以下のURLより是非ご覧ください。
6月18日(木)
1限目 https://youtu.be/7aXafrCdoPY
2限目 https://youtu.be/RaH3nGh-TKk
3限目 https://youtu.be/A5tyv03C0S4
6限目 https://youtu.be/_To1ttQfY88
7限目 https://youtu.be/GzaLx1F_se8
8限目 https://youtu.be/bH9wn_QUZtw
6月20日(土)
1限目 https://youtu.be/MMaKd-L1uYg
2限目 https://youtu.be/yncoUeoX90A
3限目 https://youtu.be/81tnkP1e97k
4限目 https://youtu.be/6dbqf_Q4shQ
5限目 https://youtu.be/L-K2XPJjOhg
6限目 https://youtu.be/Ul-53ptLPzo https://youtu.be/ooAOVS3unNA
7限目 https://youtu.be/5UrdSv45CZs
最後に、初めてのオンライン開催となりましたが、オンラインだからこその良さを最大限に活用できた企画となりました。視聴者の皆様が、自身の興味の赴くままに学び、そこから「持続可能性」について考え、自分なりに行動していくきっかけとなれば幸いです。