文責・近藤
複雑な生態系を少しでも理解し、さまざまな自然を徹底的に究明したい京大!バイオスクープ。今回のご依頼はこちら「理学部ピロティーにたくさん植えられているあの木は何?」
ハナミズキ(花水木、別名アメリカヤマボウシ、英名Dogwood)
ミズキ目ミズキ科ミズキ属ヤマボウシ亜属
学名:Cornus florida
原産地:北アメリカ
開花時期:4月下旬〜5月上旬(とWikipediaには書いてあるけれど今年は4月上旬には咲き始めてるので5月まではもたないような…)
落葉高木であり、日本ではよく街路樹に使われる。
場所:色んなところにあるけど特に集まってて綺麗なのは理学部ピロティー。
イチオシは東山丸太町の交差点の熊野神社前の角。桜、ハナミズキ、クスノキ、ツツジがまとまって植えられていてとても綺麗。
♪そーらをーおしあーげてー…
映画や歌のタイトルにもなった有名な花、ハナミズキ。
街路樹や庭木としてよく植えられており、ちょうど桜が終わった頃くらいに、ピンクや白の綺麗な花を咲かせはじめます。
へぇ☆「花びらに見えるのは“総苞”、花びらではない」
花びらといえば色の付いている部分というイメージの人もおられるかと思います。しかし、一見ハナミズキの花びらに見えるものは総苞(そうほう)。花びらではありません。
総苞の中心部分をよく見てみると、おしべやめしべが直接付いているのではなく、小さな花や蕾がたくさん集まっていることがわかります。本物の花もくるりとしたフォルムが可愛らしいので、ぜひ見かけたら総苞の中心部分まで覗き込んでみてください!
へぇ☆☆「真下から見ると枝ぶりがとても規則的」
葉が茂る前の時期は特にわかりやすいのですが、ハナミズキの枝ぶりはとても規則的。ただの枝の時が一番その規則性がわかりやすいのですが、花のある時期は真下から見上げることも増えると思うので、そこにも注目してみると面白いです!
花のある位置、葉の広がり方など、たくさん発見があるかもしれません。
へぇ☆☆☆「ワシントンに送られた桜の返礼品」
ワシントンで春に咲き誇る桜は日本から贈られたものだということはご存知でしょうか。
防疫対策などに阻まれたりしつつも、桜を愛する両国の人たちの努力によって、1912年にワシントンに3000本の桜が届けられました。
そしてその3年後、米政府の使者から返礼として日本に届けられたのがハナミズキでした。ハナミズキは北アメリカ産の国家的、国民的花木であり、葉より先に花が咲く点、花の色が主に白や桃色である点など、桜とたくさんの共通点があります。
ソメイヨシノが終わった頃に咲き始めるハナミズキ。咲くタイミングが少しズレるハナミズキは、学校が始まったキャンパスの景色に彩りを与えてくれます。
京大構内や京大周辺にもたくさん植えられているハナミズキ。4/25時点ではまだ咲いていたので、今度見かけた時には、ぜひ花を覗き込んだり、枝を見上げたりしてみてください!
参考文献
Wikipediaハナミズキ
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%8A%E3%83%9F%E3%82%BA%E3%82%AD
レファレンス協働データベース
https://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000190521
東京学芸大学
https://www2.u-gakugei.ac.jp/~planttgu/dokodemo/pc/061.htm
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