文責・清水
複雑な生態系を少しでも理解し、さまざまな自然を徹底的に究明したい京大!バイオスクープ。今回のご依頼はこちら「欅坂ってあったけど、ケヤキってどんな木?」
ケヤキ
学名 Zelkova Serrata ニレ科
開花時期 4月
@吉田キャンパス 吉田南構内 吉田南総合館中庭
ケヤキと言えば扇形のように広がる枝ぶりが特徴的なのですが、京大にある木は選定されていてその枝ぶりは楽しめません、、
サイレントマジョリティーや不協和音などの曲が有名な欅坂46(今は櫻坂46)の名前は、東京の「けやき坂」という地名に由来しているといわれています。そしてその「けやき坂」には立派なけやき並木があるそうです(筆者は行ったことはありません)。
そんなケヤキがどんな木なのか、ご紹介します!
へぇ☆「葉にある玉ねぎ」
ケヤキの特徴に鋸歯(葉の縁のギザギザのこと)を持つことがあります。その形は鋸の歯のように痛いようなとがり方ではなく、なんだか丸みを帯びた感じ。これは時に玉ねぎ形と表現されます。
他の鋸歯をもつ葉っぱとよい見分けになりますので、覚えるとよいことがあるかも!
へぇ☆☆「飛んで遠くに」
種子散布の時、ケヤキは実だけで落ちるのではなく枝や葉の力も駆使します。
ケヤキの果実がついた枝は、葉と実のついてた小枝ごと散ります。これは落枝と呼ばれます。回転しながら飛んで遠くに種子を散布することができ、木の高さの3倍も飛ぶことがあるそう。
果実単体での落下速度は平均5.4m/s、枝ごとの落下速度は平均1.5m/sで、ゆっくり落ちることから風に飛ばされやすい、と示す研究結果もあります。
へぇ☆☆☆「いろんな社寺仏閣でつかわれている」
けやき並木は紅葉でも有名、ということは落葉広葉樹なのです。
ここで、よく聞く木材を思い浮かべてみると、スギやヒノキなど、針葉樹が多いですが、広葉樹のケヤキは材としての性質に優れ、様々な寺社仏閣で用材として使われています。鎌倉時代以降、特に江戸時代以降に再建ないしは修復されたものでケヤキは多くつかわれているようです。
京都でいうと清水寺や東本願寺、知恩院三門などに使われています。
身近に存在し、街路樹だけでなくお寺でも人気なケヤキ。是非葉っぱの形も覚えてみてください!
ケヤキは便利だった。
参考文献
山田隆彦(2021) : 葉っぱ・花・樹皮で見分ける樹木図鑑, 池田書店
星野義延(1990) : ケヤキの果実散布における風散布体としての結果枝. 日生態会誌, (40) p.35-41