文責・横井
複雑な生態系を少しでも理解し、さまざまな自然を徹底的に究明したい京大!バイオスクープ。今回の特集は「ホトケノザ」です!
ホトケノザ
学名 Lamium amplexicaule L. シソ科オドリコソウ属
@吉田キャンパス北部構内理学研究科6号館西側他
今回この記事を書くに当たってキャンパス内で探し回ったのですが、意外にも見つけるのに苦労しました。キャンパスに向かう途中の家庭菜園にたくさん生えていたのですぐ見つかると思ったのですが・・・。キャンパス内で生えていたところも植木の下で他の草が少なくなっているところなので、他の草との競争には弱いのかもしれません。
へぇ☆「名前の由来は葉っぱの形から」
ホトケノザは漢字で書くと「仏の座」となります。葉っぱの形を仏さまが座られる「蓮座」に見立てて名づけられました。
しかし、蓮座自体が蓮の葉が元になっているので、植物がデザインになり、そのデザインが再び植物の名前になるとはなんだか不思議な感覚ですね。
へぇ☆☆「春の七草ではない」
「ホトケノザ」と聞くと、おそらく多くの人は春の七草を思い浮かべるのではないでしょうか。むしろ、「ホトケノザ」という名前を聞いたこともない人はあまりいないかと思います。
しかし、春の七草でいう「ホトケノザ」はこの草ではありません。春の七草で「ホトケノザ」と呼ばれている草は標準和名「コオニタビラコ」という全く別の植物です。標準和名が「ホトケノザ」なのが今回紹介している草です。
なお、私は小学5年生の時には勘違いしており、野球部の練習中手持ち無沙汰になったときにかじったことがあります。すぐに口直しできない状況でかじったのをすごく後悔した記憶があります。めちゃめちゃ苦いです。食用にはならない草だと言えます。
へぇ☆☆☆「エライオソームを持つ」
スミレなどにも存在する、種子に付属する脂質などが豊富な構造をエライオソームと言います。エライオソームによってアリが誘引され、アリは種子ごと巣に持って帰ります。アリが食べるのはエライオソームだけなので、種子はそのまま発芽できるという仕組みです。また、アリはカメムシなどの植物にとっての害虫を攻撃するので、植物が身を守る手段ともなります。
ホトケノザもエライオソームを持つので、アリによって種子が拡散されていきます。ホトケノザを見かけたときはぜひ付近のアリにも注目してみてください。
「ホトケノザ」と呼ばれる植物は複数あった!
参考文献
botanique 植物図鑑「ホトケノザ」ホトケノザ | 植物図鑑 – ボタニーク (botanique.jp) 2024/1/17アクセス